豊島 18春夏素材提案/綿素材の差別化強める/主力品から機能付与まで

2017年06月09日 (金曜日)

 豊島は18春夏製品OEM/ODM向け素材提案で、綿素材での差別化に注力する。実績のある素材を、品質向上やコストメリット創出で付加価値を高めるほか、機能付与した新素材を提案する。今日9日まで東京本社(東京都千代田区)で2018春夏素材展示会を開いている。

 春夏素材の基軸となる綿で新たな訴求を進めることで主力顧客との取り組みを深掘りする。定番素材では主力顧客向けで広く実績を作った「カリフォルニアコットン」に続く差別化綿として豪州・クイーンランド州産中長綿を披露した。

 降雨と日照率に恵まれた気候風土で育つ同綿は、カリフォルニアコットンと比較して白度が優れ、夾雑物も少ないことが特徴。品質面の優位性を差別化要素に、毛羽が少ないコンパクト紡績のモノ作りでTシャツなど春夏定番のデイリーウエアへの採用を提案した。受注をまとめることで、カリフォルニアコットンと同等のコストで供給していく。

 中高級品向けには、スペイン南部のアンダルシア地方産ピマ綿「サンリットメローズ」を投入する。生産量が「スーピマ」綿の30分の1ほどという希少な超長綿を、ギザ綿使いによる既存「スプレンダーツイスト」に続いて、上質綿素材の品ぞろえに加えた。

 機能を付与した綿素材も新開発品とモノ作り手法の工夫でラインアップを強化した。新たに開発した「ムーブドコットン」は糸加工で疎水性を付与した綿糸とレギュラー綿を組み合わせた綿100%素材。レギュラー綿素材に比べ、吸水性で15倍、速乾性で1・35倍の吸水速乾性を発揮するという。

 オーガニック綿では超長綿タイプ「エルス」で、国内調達した消臭機能縫製糸による製品への機能付与を提案。レディース用途を念頭に、ビスコースレーヨンとの複合で光沢と風合いを創出する付加価値向上のモノ作りも披露した。

 レギュラータイプのオーガニック綿でも精製セルロース繊維「テンセル」との複合素材を豊島の強みを発揮する素材として訴求。異型断面ポリエステルと複合した防透け、UVカットなどの機能付与素材も開発した。