豊島/機能、競争力で深掘り/18秋冬の羊毛素材提案

2017年12月06日 (水曜日)

 豊島は18秋冬製品OEM/ODMの素材提案で羊毛使いのバリエーションを広げる。グループ企業と共同開発したコート地を、価格競争力を持たせて展開する。後加工で機能を加えた素材も国内外から供給。豪州羊毛を中心に原料が高騰する中で、調達背景との協力関係を差別化要素にする。東京本社(東京都千代田区)で8日まで「2018秋冬素材展」を開いている。

 ウールコート用素材は秋冬防寒衣料向けで主軸の一つ。国内外を調達背景に軽量性を重視して開発を深めた。国内では関連会社の日本エース(愛知県一宮市)とカシミヤ5%混を開発した。エアリーな仕上げで一般的なレディースコート地の目付である450グラムより軽い330~380グラムを実現した。

 価格競争力を持たせたことも特徴。羊毛原料価格は足元の豪毛相場が前年同期に比べ15%以上、高くなっている状況だが、今秋冬向けの販売実績を背景に紡績などとの話し込みで価格を据え置いて提案していく。

 海外調達はイタリアのプラトー地区生産の素材と英メーカーであるマラリウス社の素材を提案する。特にマラリウス社の素材はシェットランドウール100%使いに、豊島が中国でラミネート加工した。有力アウトドアブランド向けで実績を持つ背景を活用し、防風透湿性を加えた。

 こうした、機能を持った天然繊維素材に対するニーズが高まるとして、ウール低混率の丸編み素材も出展した。宮田毛織工業(同)と共同でウール10%混の合繊複合ダウン側地を開発。加工で撥水(はっすい)性を付与するとともに、ウールならでは風合いを強調するモノ作りが来場者から好評という。