担当者に聞く ユニフォーム最前線(13)/豊島 東京本社 東京二部部長 中駄 淳 氏/ワークウエア軸に堅調

2017年12月21日 (木曜日)

  ――今期(2017年7月~18年6月)の商況はいかがですか。

 ワーキングを中心に別注物件が増え、堅調です。やはり東京五輪の良い影響が出ているのでしょう。ユニフォーム全体で見たときに、「カジュアル分野に強い繊維商社」という当社の強みを出せていると思います。一方でサービス分野はいまひとつ盛り上がりに欠ける印象です。

  ――18秋冬向けの展示会で力を入れた商材は。

 幾何学柄のプリントや「テンセル」使いのアウター、ベトナムやインドネシアで開発した素材が好評でした。“コト”の提案、ブランドや異業種とのコラボも毎年広がりを見せています。

 今年販売を本格化した機能素材「ワンダーシェイプ」は、ストレッチ性に優れているため、ワーキングユニフォームやサービス分野のパンツとして引き合いがあります。以前は高混率のポリウレタン使いは敬遠される傾向でしたが、実際に着てみると「これ、良いね」と評価が高い。素材のバリエーションが広がってきたと感じています。

  ――最近のユニフォーム市場をどう見ていますか。

 10月にドイツで開かれた「国際労働安全機材・技術展(A+A2017)」に行きましたが、高視認性安全服だけではなく、ワーキング分野全体が充実しているという印象を受けました。欧州のユニフォーム分野の市場規模の大きさを感じます。

 国内でも、顧客が安さだけを求めるという流れが変わってきています。良い例が電動ファン付きウエアや、センシングウエアです。お金をかけて労働者の職場環境や安全性を守るという意識の高まりを感じます。こうした動きは今後広がっていくでしょう。

  ――生産体制を教えてください。

 半分は中国で、半分はASEAN地域です。ワーキングはバングラデシュ、白衣はインドネシア、オフィスはベトナムといったようにそれぞれの国が得意な分野を適切に発注しています。当社がメインで入ることができる工場を増やし、ロスのない生産を心掛けています。

  ――今後強化する分野は。

 ワーキングに加えてここ数年横ばいの印象が強いオフィス、サービス分野も注力したいと思います。五輪を前に大都市を中心に再開発が進み、建築ラッシュです。現在はワーキング需要が高まっていて、次は完成した建物に入るサービス分野という期待があります。繊維専門商社の強みをしっかりと顧客に提案したいと思います。