クラボウ/タオル糸で別注対応強化/巡回増やし開発精度上げる

2017年12月27日 (水曜日)

 クラボウは今治市のタオルメーカーに向けて、各社のニーズを反映させた別注糸の販売を強化する。

 香川県丸亀市にある同社の紡績工場を生かし個々のメーカーの要望に応じた糸を提案していく。繊維素材部原糸課の営業担当と丸亀工場の技術者が月に数回、産地企業を訪れて、直接要望を聞くことで開発の精度を高める。

 糸を顧客ごとにカスタマイズできるようにする。テキサス綿100%のタオル専用糸「テキサスホワイト」は2014年の発売で、これまで20番手を備蓄販売してきたが、今年4月から顧客ごとの別注で生産するようにした。番手や撚り係数の異なる糸を顧客の要望に応じて受注生産する。

 顧客の声により近年、新たな糸も生まれてきた。織り上げた後に芯部を溶かして作る中空糸「スピンエアー」、新タイプの無撚糸「ツイストフリー」などがあり堅調に供給量を増やしている。

 こうした産地での差別化糸の販売強化の背景には、今治市にあるタオルメーカー間の競争激化がある。“今治タオル”ブランドの立ち上げから10年以上がたち、販売量の伸びが鈍化している。そうした中、他社と異なる商品開発で重要となるのが原料の糸というわけだ。

〈原糸課の商況は横ばい/各分野で前年実績並み〉

 クラボウ繊維事業部繊維素材部原糸課の第3四半期(2017年4~12月)までの業績は前年比横ばいとなりそうだ。原糸課はタオル、インナー、靴下、セーター向けの糸を供給する。いずれの分野でも前年比並みの売り上げを確保する見通し。