倉紡貿易〈上海〉/対日、内販ともに堅調/17年は微増収増益

2018年01月30日 (火曜日)

 【上海支局】クラボウの現地法人、倉紡貿易〈上海〉の2017年決算は、前年に比べ微増収増益だった。対日事業と内販がけん引した。今後は開発品の欧米向け販売にも力を入れ、“グローバル販売拠点”を目指す。

 主力の対日事業では、カジュアルブランドのパンツ地生産と縫製をメインに展開する。昨年初めは縫製の“ASEANシフト”の影響を受け、減収を見込んでいたが、堅調に推移した。

 一方、内販ではクラボウの技術を用いた糸や生地の販売に取り組む。主な顧客は、ローカルの百貨店アパレルやデザイナーブランド。

 昨年は防縮加工ウール「エコ・ウォッシュ」と、糸の表面が微小なパイルで覆われている「マイクロパイル」糸の販売が堅調だった。「抗ウイルス機能加工技術『クレンゼ』を使った生地への引き合いもあった。今年はタオルやマスク向けにも展開していきたい」と朝日美伸総経理は話す。

 対欧米輸出の拡大も昨年狙ったが、結果は芳しくなかった。「今後もチャレンジしていく。クラボウの技術力を生かし、世界中の顧客から評価されるグローバル販売拠点を目指したい」(朝日総経理)と言う。環境に優しい防縮加工ウール「エコ・ウォッシュ」などが現在、大手SPAから引き合いを受けているという。