「アセアン縫製用素材展」から/素材、域内一貫を提案/機能素材、備蓄サービスなど

2018年02月19日 (月曜日)

 「第4回アセアン縫製用素材展」(日本繊維輸出組合主催、日本繊維輸入組合協賛)では初日、前年並みの600人余りが来場した。日本の市場トレンドを受けた素材の付加価値化やASEAN域内一貫生産オペレーションに貢献するサービス提案が見られた。

 豊島は中国で備蓄する独自素材群「グランテックス」シリーズで新たに機能素材を加えた。常時、40~50アイテムをそろえ、シーズンごとに2~3品番入れ替える中、市場トレンド、顧客ニーズを受けて吸水速乾、防水、撥水(はっすい)素材の開発に取り組んだ。

 自社縫製工場と素材開発協力工場を展開するベトナムオペレーションでも機能素材を提案。「クールマックス」「サーモライト」の原綿を備蓄して生地、縫製を同国で対応するサプライチェーンを訴求した。

 東光商事はテラヘルツ人工鉱石を使用する冷感素材、発熱・保温機能ウエアなどを提案した。人体に含まれる水分子の運動に影響を与える鉱石を繊維に練り込んだり、染料に混ぜたりして機能を付与するもの。ASEAN地域に拠点を持つ日系染工場と技術提携して、域内で高機能ウエアを生産できるオペレーションを提案。来場者から多くの関心を集めて、今後の商談に手応えを得た。

 ベトナム法人の取り組みを強調したのが副資材商社の清原。芯地、ボタン、襟キーパーなど現地で調達できる定番資材を、シャツに特化してサンプル帳にまとめた。商品カテゴリー別に商材を提案する新たな取り組み。外部企業と協業して服地も掲載する。在庫サービスも検討していくほか、反応次第で商品カテゴリーを増やすことも想定する。日本と連動した提案活動を重視する。

 蝶理はインドネシアの出資染工場ウラセプリマを起点とした同国一貫オペレーションを提案。ブラックフォーマルの生地販売や、製品一貫対応で技術基盤が整い、今回は重衣料用エニーカラー素材の取り組みを紹介した。