クラボウ/未来に向け新組織/安城工場に専用拠点も

2018年03月30日 (金曜日)

 クラボウは4月1日付で、愛知県安城市の紡織工場内に「テキスタイルイノベーションセンター」(TIC)を設け、紡績から織布、加工、縫製までの技術者二十数人を専任スタッフとして配置する。「クラボウの未来に向けて」(北畠篤取締役常務執行役員)これまでにない商品や生産システムの開発と技術者の育成を進めることなどが狙い。

 安城工場には紡績工場が2棟、織布工場が1棟あり、うち紡績工場1棟をTICの活動拠点として活用し、既に備えた試紡機に加え、必要な設備を順次導入する。TICは、商品開発、生産システム開発、技術支援の三つのグループで構成される。

 商品開発グループは、これまでにない商品やサービスの開発に取り組む。必要があれば、製造設備を独自に作ることも視野に入れている。当面は、スマート衣料「スマートフィット」に寄せられる多彩なニーズへの対応▽“裁断くず”を資源として再活用する「ループラス」の製造技術高度化▽色落ちしにくいデニム「アクアティック」の本格生産に向けたコストダウン――などに取り組むことになる。

 生産システム開発グループは、スマートファクトリー化などを目指す。各工程で問題が発生した際に、どこに原因があり、どう対処すればいいかを「見える化」するとともに、工程間搬送の自動化などさまざまな課題を掲げている。「海外工場も含め、労働力不足と、繁閑差拡が進んでいる」ため、喫緊の課題として取り組む。

 技術支援グループは、「ロボットにできることとできないことを仕分け」した上で、人にしかできない部分の技術を若手に伝承することなどが任務。動画などを活用した教育ツールも作り、従来よりも短期間で伝承できるようにする。外注先を含む製造拠点への技術指導も行う。