クラボウ/次世代デニムの領域拡大/色目や表情が進化・深化

2018年05月17日 (木曜日)

 クラボウの繊維事業部は“次世代デニム”「アクアティック」の展開領域の幅を広げる。色移りしにくいといった特長を維持しながら、色目や加工による新たな表情を付与するなど、「さらに進化し、深化も進んだ」(同社)とし、評価を得る百貨店アパレルに加え、今後はスポーツカジュアルなどへの提案も強める。

 アクアティックは原料の選択から紡績、織布、染色加工の全工程にわたる同社独自のプロセス「アクアティック メソッド」により完成した。本格デニムが持つ中白効果によるビンテージ表現ができるほか、色落ちや色移りがしにくい。白色や淡色との組み合わせが可能で、幅広い用途に使える。

 デニムの活用に慎重な姿勢を見せるアパレルは少なくないが、色移りの心配が少ない同素材は受け入れが進みつつあり、「大阪市内の百貨店で開いたアパレルブランドとのポップアップショップも好評だった」(同社)と言う。衣料用途だけでなく、インテリア関連にも提案している。

 2019年に向けて素材がさらに進化と深化を遂げた。一つが新色の追加で、ターコイズのほか、鮮やかな青、緑がかった青、グレーがかった青などが表現でき、商品企画に深みが出ると自信を示す。移染しにくいため、レーザー加工などではシャープな表情を出せる。

 百貨店アパレルとの取り組みを掘り下げると同時に、カジュアルやスポーツ系への展開にも力を入れ、販売を積極的に伸ばしていく。15、16日に東京都内で開催した「2019クラボウグループ繊維展」で重点素材の一つとして打ち出したが、来場者の注目度も高かった。

 展示会では、“裁断くず”を資源として再活用する「ループラス」、スマート衣料「スマートフィット」、汗染み・水染み軽減の「ファインマスター」といった素材を展示。ユニフォームでは長繊維の耐久性と天然繊維の心地よさを持つハイブリッド素材「フィルブリッド」、プレミアム・ユニフォーム・ストレッチ素材「ジザイア」などを並べた。