クラボウ/スマート衣料でリスク管理/28日にサービス開始

2018年05月25日 (金曜日)

 クラボウは、独自のスマート衣料「スマートフィット」を使った、酷暑下の労働現場における作業リスク管理を支援するシステム「スマートフィットフォーワーク」によるサービスの受注を28日に始める。建設業、運輸業、製造業などの需要を見込む。

 近年、熱中症の被害が増加傾向にある中、屋外や高温多湿な環境下での作業を伴う業種では、作業中のリスクの正確な管理が課題になっている。クラボウは今回、自社のスマート衣料とそれから得られたリアルタイムの生体情報、さらに現場の気象条件などを統合的に分析するシステムを使ってリスクを把握するサービスを提供する。

 運用するシステムはインナータイプのスマート衣料から取得した作業者の心拍、体温、加速度といった生体情報をスマートフォン経由でクラウドサーバーに送信し、作業地域の気象条件も含めて解析しリスクをリアルタイムに管理者に知らせる。

 人工知能(AI)を使った自動学習機能も備え過去の個人データを基に作業者一人一人の体調の変化も把握でき、気象情報との併用により精度の高い管理を実現する。個人のリアルタイムデータから集団がさらされているリスクも把握できる。

 独自のクラウドアプリケーションにより、管理者は遠隔からでもパソコンなどでスマート衣料を着用した作業者全員の作業リスク情報をリアルタイムで把握し、一括管理できる。

 常時更新されるリスク情報により、画面上にはリスクの高い作業者から順に表示され、リスクが高まっているときには警告が表示され、事前の素早い対応が可能になる。

 サービスの料金は初期設定費用が1ユーザー当たり3万円、月額費用が同6千円、スマートウエアのインナー部分は4千円で販売、インナーに付属する装置はレンタルとなる。男性用に加え女性用のウエアも開発中。

 今後は、スポーツ分野や屋外大規模イベントなどでの活用、学校や高齢者の日常生活における酷暑環境下での応用も模索する。