豊島/社内横断の新組織で素材トレンド打ち出す

2018年06月07日 (木曜日)

 豊島は19春夏製品OEM/ODM向け素材提案で、各部署のデザイナーを集めた「企画分科会」の最初の取り組みとして、同社が考える19春夏のトレンドを打ち出した。機能性にこだわった素材にも注力する。8日まで東京本社(東京都千代田区)で19春夏素材展示会を開いている。

 トレンドでは「スロー」をテーマに、4分野の生地を展示した。「イレギュラーサーフェス」では表面加工によるさまざまな凹凸感、「エンジョイストライプ」ではかすれ感のある多様なストライプ、「ガーデン」ではカントリー調の風合い、「デリケート」では繊細で上質な触感を持つ素材を披露した。

 機能性素材のうちスポーツ・カジュアル向けでは、肌触りの良い綿・レーヨン、吸水速乾性の高いポリエステル・ナイロン・トリアセテート、ストレッチ性を持たせるポリウレタンなど、それぞれの繊維原料の長所をブレンドし複合させた快適冷感素材「クールコンプレックス」を披露した。

 19秋冬素材ではあるが、羽毛並みの保温力を持つ積層式の機能中わた素材「スタックウォーム」も同時に紹介。内部に空気層を作ることでソフトな風合いと、かさ高性を大幅に向上した。中わた内部の蒸れを防ぐ通気と透湿性も併せ持つ。

 接触冷感機能の布帛調ニット「ワンダーシェイプ」はこれまでメンズが主体だったが、レディース向けに保湿成分を取り入れた「ワンダーモイスチャー」を開発した。麻素材ではラミー混「リンクルエア」を発表。異型断面と丸断面の単繊維をランダムに配列し、ねじれを加えて繊維間に極細の隙間を作り、圧倒的な軽さと吸水速乾性を持たせた。

 デニムについては、品質や価格など顧客の多様な要望に対応するため、日本・中国・ベトナム各国の特徴を生かした生産を提案する。同社が展開するオーガニックコットン普及プロジェクト「オーガビッツ」ではロゴを一新し、今展示会で披露した。