クラボウインターナショナル/“見えない価値”追求/技術部新設で素材力強化

2018年06月21日 (木曜日)

 クラボウインターナショナルは製品OEM/ODM事業で、“見えない価値”を追求する。そのため4月に新設した技術部を活用して素材調達力や提案力の向上を図り、“裏方”としての存在感を発揮していく。

 西澤厚彦社長によると利益重視で臨んだ前期(2018年3月期)は、低採算取引からの撤退を進めたことなどで17年3月期比減収増益となった。今期は「実態の商売としては増収増益」を計画、そのために「価値の向上」を狙う。

 価値向上を中心的に担うのが新設した技術部。縫製の品質管理を担当してきたスタッフに、「素材メーカー系商社としての特徴を発揮する」ことを狙ってクラボウ本体で染色加工に従事していたスタッフを同部署に加えた。

 これにより、クラボウとの技術的な関係性をさらに強化し、素材からの商品開発力強化やオーガニックやBCIコットンなどグローバルな原料調達力の強化を図り、サステイナビリティーやトレーサビリティーも意識する。こうした取り組みを、顧客、消費者にとっての“見えない価値”につなげる。

 素材力を引き上げようとする背景には、単なるOEMでは激化する価格競争や直接貿易の流れに巻き込まれるという危機感がある。インドネシアの縫製子会社、アクラベニタマや2カ所の国内縫製工場を生かした縫製の品質管理力に加えてクラボウとの連携強化による素材の力を発揮して同業他社との差別化を図る狙いだ。

 素材はクラボウとの連携による綿関連だけでなく、グループ外の生地も取り扱うが、その際にも「素材を知っているということが優位性になる」とし、その中心的役割を技術部が担う。