特集 東海産地(4)/東海を支える商社

2018年08月10日 (金曜日)

〈豊島 浜松支店/本社と連動、拡充へ〉

 豊島が浜松支店を開設したのは、1918年。現在の名古屋本社よりも古く、同社初の支店が浜松支店。豊島にとって、成長の礎を築いた拠点ともいえる。その歴史と伝統の中、100周年を迎えた今期(6月期)、名古屋本社十部浜松支店二課として支店の強化を図っている。

 遠州産地はかつての規模と比べれば縮小を余儀なくされたものの、精練から漂白、浸染、捺染を行う著名な加工所を抱え、細番手・高密度などの綿織物を扱う個性派機業が多い。

 今後、改めてその特徴を生かし、テキスタイルの国内販売から輸出業務までを行う十部と連動した。

 具体的に国内では、一般衣料や切り売り用途だけでなく、サービスユニフォームの販路拡大を狙う。備蓄販売している無地染め織物「HTシリーズ」は、大幅に品番数を拡充する。輸出では特に中国に絞り込み、遠州産地の織、加工技術を駆使した生地提案に努める。

〈信友浜松支店/付帯加工や生機提案も〉

 信友浜松支店は、スパン糸を中心にさまざまな糸を備蓄し、顧客の要望に沿った糸の提案に力を入れている。今後は撚糸などの付帯加工に加え、生機での提案も進める。

 同支店は北陸、遠州産地の営業を担当する。純綿のカード糸、コーマ糸のほか、ウール混糸、麻混糸、ポリエステルスパン糸、ポリエステル・綿混糸など多彩な品目を取りそろえ、バランスよく備蓄している。

 北陸ではポリエステルスパン糸やポリエステル・綿混糸などを提案し、従来の機業だけでなく、ニッターにも販売を広げている。遠州では現状、糸商への販売があるものの、今後は、産元からの要望に応え生機対応もする。

 必要なものを必要な時に供給できる体制を敷き、迅速で細かい対応は顧客からの評価も高い。今後も原糸販売だけでなく、付帯加工や生機での提案など、手掛ける範囲を広げていく。