帝人/RFIDの新システム構築/ローソンと提携で実現

2018年10月12日 (金曜日)

 帝人は、ローソンと提携し、棚管理システム「レコピック」を使用したリアルタイム在庫管理システムを開発した。商品棚にRFID(無線通信による商品の個別管理システム)センサーを設置することで店外でも商品の陳列状況などが把握できる。2019年2月に実店舗で実証実験を始める。

 レコピックは、位置情報や入出庫情報を効率的に把握できるシステム。特殊な2次元シートを使用することで一度に大量の書類や物品を正確に管理することが可能で、図書館や工場、医療機関などで採用が進む。今回の新システム開発でICタグの最大市場である小売分野に参入する。

 ローソンが17年11月に開設したオープンイノベーションラボにレコピックを導入し実験を開始した。RFIDセンサーによって陳列情報や在庫状況の常時確認が可能になり、管理工数の削減につながる。在庫状況と商品の賞味期限の情報をひも付けることで、的確なディスカウント戦略を講じることもできる。

 一方の消費者はコンビニエンスストアチェーンが提供するアプリを活用して事前に在庫状況を知ることができ、求める商品を買い逃す心配がなくなる。メーカーは販売促進などに結び付き、「店舗、消費者、メーカーの全てにメリットがある」(帝人)と話す。1店舗当たりの導入費用は数十万円に抑える。

 帝人のスマートセンシング事業推進班は、技術開発を続けることでアパレル関連や百貨店の靴売り場の在庫管理などへも広げるとし、20年にレコピックの売上高を20億円規模に育てる。「ICタグの価格が下がり、需要が拡大すれば25年には3桁億円の事業への成長」も見込めるとした。

 新システムは16~19日に幕張メッセ(千葉市)で開催される「シーテック ジャパン2018」のローソンブースに出展し、来場者に披露する。