帝人G 素材フォーラム開く/北陸協業 さらに進化/アラミドも共同開発推進

2018年10月29日 (月曜日)

 帝人フロンティアの日光信二社長、帝人の小山俊也常務執行役員マテリアル事業グループ長は25日、福井市内のホテルで開催した「帝人グループ素材フォーラム」終了後に会見し、北陸産地企業との協業によるモノ作りをさらに強化する考えを示した。

 日光社長は「産地企業との共同により、ニーズを捉えたモノ作りが深まっている」との認識を示し、小山常務執行役員も協業がまだ少ないアラミド繊維や炭素繊維でも「共同開発を推し進めたい」と語った。

 フォーラムは、この1年間の「技術の集大成」(日光社長)を北陸産地企業に披露するもの。一時中断していたが2012年に再開した。今回が8回目で北陸3県から94社242人が参加した。

 フォーラムの開催だけでなく帝人フロンティアは、北陸産地との連携強化のため、次世代のリーダーを育てる「帝人北陸ミドル研修会」を既に7回実施。今年7、8月には松山事業所(松山市)の見学会も行った。「技術者が産地へ足を運び切れていない」ことを考慮したもの。見学会には54社82人が参加し、産地企業からも好評を得た。

 帝人フロンティアの北陸産地との取引額は2018年度280億円と前期比10億円増を計画する。現状はポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」や高バランス素材「デルタ」シリーズの拡大もあり順調に推移。「当社と産地企業互いの強みを生かしたテキスタイル開発が進んでいる結果」と分析。「今後、さらに深めて進化させたい」と産地企業との協業を一層推進する考えを示した。

 小山常務執行役員も、メタ系アラミド繊維「コーネックス」による衣料用が消防服だけでなく、染色可能な「コーネックス・ネオ」を使い、アウトドアウエアアパレル「スノーピーク」に採用されるなど「新しいジャンルが生まれている」と分析。用途拡大に対応するためにも産地企業と連携した開発の重要性を指摘した。

〈第一合繊「戦略的な拠点」〉

 帝人フロンティアの日光信二社長は、12月28日付で子会社化する第一合繊(新潟県見附市)について、「当社にとって重要な機業であり、新潟産地ならではの技術を持つ。共に歩んできた戦略的な拠点でもあり、なくてはならない存在」との考えを示した。