18年4~9月期

2018年11月06日 (火曜日)

〈原燃料高で営業減益/帝人〉

 帝人の連結決算は、売上高4394億円(前年同期比8・6%増)、営業利益362億円(3・5%減)、経常利益397億円(4・9%増)、純利益339億円(16・2%増)だった。アラミド繊維や衣料繊維分野で販売を伸ばしたものの、原燃料価格高騰が営業利益を押し下げた。

 マテリアル領域は売上高3319億円(10・4%増)、営業利益145億円(13・8%減)で増収ながら減益だった。アラミド繊維の販売が好調だったマテリアル事業の売上高が8・9%増となったほか、繊維・製品事業は原燃料価格高騰の影響があったものの、衣料繊維の販売が順調で9・9%の増収を確保した。

 通期の業績見通しは売上高9千億円、営業利益650億円、経常利益670億円、純利益480億円。マテリアル領域は売上高6900億円、営業利益300億円を狙う。

〈マネジメント強化が奏功/日鉄住金物産繊維部門〉

 日鉄住金物産の繊維部門の連結決算は売上高741億円(前年同期比1・9%増)、経常利益17億円(74・2%増)と、増収増益だった。単体売上高は614億円(2・9%増)で売上総利益は63億円(1・8%増)。前期の海外生産の採算悪化などがマネジメント強化で改善された。

 前期は中国の環境規制強化や沿海部の工場縮小、東南アジアからのエア便増などが収益を圧迫した。今期はマネジメント強化とともに、デジタル化を両輪として推進。工場、対顧客、社内業務などデジタル技術活用で事業の可視化・効率化に努める。

 下半期のコストアップは避けれず、厳しい環境が続く見通しだが、上海現法の改善やOEM/ODM子会社が堅調に推移しており、通期で売上高1600億円、経常利益45億円を見込む。

〈構造改革進み大幅増益/三共生興〉

 三共生興の連結決算は、売上高が129億円(前年同期比2・2%減)、営業利益が8億8100万円(47・2%増)、経常利益が11億円(42・1%増)、純利益が8億8500万円(51・9%増)と微減収大幅増益だった。

 「ダックス」「レオナール」などブランド製品販売のファッション関連事業は、国内向けが百貨店などの不振の中で前期までに不採算店からの撤退などを進めた結果、減収大幅増益となった。

 OEMの繊維関連事業は新ブランドとの取り組みによる受注増などで増収だったものの、物流コストの増加や為替の影響により微減益となった。

 通期は上半期の利益好調を受けても「不確定要素が多い」として期初計画通りの売上高270億円(前期比5・1%減)、営業利益13億円(40・1%減)、経常利益18億円(32・1%減)、純利益12億円(34・4%減)を見込む。

〈増収、大幅営業増益/旭化成アドバンス〉

 旭化成アドバンスの連結決算は売上高625億円(前年同期比8・4%増)、営業利益8億6千万円(同29・7%増)の増収大幅増益となった。

 繊維部門は売上高301億円(11・9%増)、営業利益6億3千万円(33・1%増)の大幅増収営業増益。樹脂部門は増収増益、建材部門は減収増益だった。

 繊維では、アウター向け製品、インナー向けテキスタイル、アウトドア向けの欧米テキスタイル輸出が好調だった一方、資材が多少の減収にとどまった。

 当期から旭化成国際貿易〈上海〉を連結対象に加えており、旭化成アドバンス・タイランドを合わせた海外業績は売上高31億円、営業利益1億7千万円の増収微減益だった。

 かねて強化してきた製品ビジネスが「マイナスからプラスに転じている」(工藤上席執行役員)ことが大幅増益につながった。資材系ビジネスの拡大を重視し、タイを先行させたエアバッグ包材の生産で近々、中国生産を立ち上げる。

〈価格改定効果下半期に/東リ〉

 東リの連結決算は、売上高417億円(前年同期比1・1%減)、営業利益3億100万円(73・1%減)、経常利益4億5900万円(63・2%減)、純利益2億2300万円(73・1%減)と微減収減益だった。

(短信既報)

 減益は原油・ナフサ価格の高騰による主要原材料価格の値上がりや、物流コスト上昇などが響いた。6月から販売価格を改定したが、「上半期の収益改善効果は限定的。通年ベースで値上がり分をカバーしたい」(同社)と言う。

 プロダクト事業は売上高250億円(2・4%減)、経常利益4億3200万円(64・1%減)。カーペットは堅調だったが、塩ビ床材、壁装材、カーテンが下回った。

 19年3月期は売上高915億円、営業利益23億円、経常利益25億円、純利益15億円を計画する。

〈原料高騰で減益/カネヨウ〉

 カネヨウの単体決算は、売上高59億円(前年同期比54・9%増)、営業利益600万円(85・5%減)、経常利益600万円(75・9%減)、純利益300万円(96・1%減)だった。(短信既報)

 売上高は、17年10月にフォワード・アパレル・トレーディング(旧兼松繊維)から原料・テキスタイル事業と中東民族衣装向け事業が加わり、既存セグメントの寝装用原料、寝装製品、リビング・インテリア用品も前年同期を上回り、増収となった。

 営業利益はリビング・インテリア用品が増益となったが、原料価格の高騰などから売上総利益が伸び悩んだほか、組織の拡大に伴う管理費の支出が先行して減益となった。

 19年3月期は売上高140億円、営業利益3億円、経常利益2億3千万円、純利益1億6千万円を計画する。