「エコプロ2018」/SDGs時代の指針示す/繊維企業の提案にも注目

2018年12月07日 (金曜日)

 環境に配慮した製品やサービスが一堂に会する展示会「エコプロ2018」が6日に開幕した。20回目を迎えた今回は「SDGs時代の環境と社会、そして未来へ」のテーマの下、持続可能な開発目標(SDGs)の考えに沿った新素材提案や各種セミナーが企画されている。繊維企業も地球環境問題に対する指針を示し、来場者の関心を集めた。会期は8日まで。

 会場の東京ビッグサイト(東京都江東区)には約550の企業・団体が集い、サステイナブル(持続可能な)社会の実現に向けた取り組みを紹介している。海洋プラスチック問題に対応した生分解性プラスチックや代替機能製品の展示、植物由来の新素材セルロースナノファイバー(CNF)の最前線などが見どころになっている。

 繊維関連では合繊メーカーのブースに足を止める来場者の姿が目立った。東レは「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」に基づき、四つのコーナーで展示を行っている。持続可能な循環型の資源利用と生産に資するバイオPET繊維製品やリサイクル繊維製品のほか、化学防護服などが並ぶ。

 帝人グループは、ソーラーカーによる南極点到達プロジェクトへの提供素材・製品、プラスチック海洋ごみ問題の解決に向けた取り組みを披露しているほか、アニメーションによる環境教育やワークショップを実施。東洋紡グループは耐熱・耐薬品性に優れたフィルター用繊維に加え、新たにエコファーを打ち出した。

 日本化学繊維協会は、「SDGsの達成に役立つ化学せんい」をテーマに、(1)エネルギーを節約する、気候変動を防ぐ(2)限られた資源を有効に使い続ける――を可能にする“せんい”を提案。日本エシカル推進協議会はグリーンダウンプロジェクトやフェアトレードタウンなごや・名古屋市などと共同でブースを構えた。

 そのほかでは、各種オーガニックコットン製品を扱うナチュラルスタイル(大阪市中央区)が肌着やレギンス、ベビー関連製品まで幅広く見せた。衛生用品の大手メーカーであるユニ・チャームは、使用済み紙おむつのリサイクル方法とリサイクルパルプの安全性などを解説し、2020年の製品化を目指すと言う。