ユニテックス/シャツ地の内販強化へ/ユニフォーム地は好調

2019年03月01日 (金曜日)

 ユニチカのインドネシア紡織加工子会社、ユニテックス(西ジャワ州ボゴール)は今期(2019年12月期)、ドレスシャツ地の内販を強化する。

(ジャカルタで橋本学)

 強みであるユニチカ独自の複重層紡績糸「パルパー」を使ったシャツ地に加え、これまで開発してきた新素材も昨年末、現地シャツアパレルに採用されたという。新素材には40番双、50番双のスラブ糸使い、ミスティヤーン使いなどがある。いずれも高級ドレスシャツ地用途で実績をつくった。

 本田一馬社長は「現在、今年のレバラン(断食月明けのイスラムの大祭)商戦に向けて作り込みを進めているが、この商機が重要になる」と強調し、「ここでしっかりと供給できれば前期比増収増益が期待できる」と説明する。

 同社のもう一つの主力である、日本のユニフォームアパレルに向けたポリエステル65%・綿35%の生機輸出は前期に引き続き好調を見込む。日本に輸出後は、ユニチカグループの大阪染工(大阪府島本町)で染色・加工を施して、アパレルなどの縫製工場に供給する。

 東京五輪に向けた建設需要や新規開業するホテルの増加などユニフォーム市場の拡大が背景にある。ただ、営業利益は圧迫されている。繊維原料と薬剤の高騰、人件費・物流費の上昇といったコストアップが影響する。今期は、前期からアパレルに要請している値上げへの理解を広められるかがポイントになる。

 ユニテックスの18年12月期業績は前期比減収減益だった。日本向けユニフォーム生地輸出が好調な半面、内販用ドレスシャツ地の販売が振るわなかった。無地染めの動きは底堅いものの、先染め糸を使った柄物シャツの動きが悪いという。

 18年度の売上高構成比率はシャツ地販売の低迷の影響で逆転し、日本向けが半分以上になった。本田社長は「シャツ地の販売は16年度の後半から落ち込み始め、前期も極めて厳しい状況だった。今期からはさすがに回復に向かうのではないか」とみる。