帝人/耐熱性と耐衝撃性両立/BMI系新プリプレグ開発

2019年03月07日 (木曜日)

 帝人はこのほど、航空・宇宙用途向けに優れた耐熱性、耐衝撃性を持たせたビスマレイミド(BMI)系プリプレグ(樹脂を染み込ませた炭素繊維シート)を開発した。12日からフランス・パリで開かれる世界最大のコンポジット展示会「JECワールド2019」に出展する。

 プリプレグは炭素繊維複合材料の中間材料として使われるもので、航空機や自動車、インフラ、レジャーなどの用途で採用が拡大している。航空・宇宙の超高温化で使用される用途では、耐熱性に優れ、線膨張係数の小さいBMI系などの樹脂によるプリプレグが使われている。BMI系樹脂は一般に耐熱性を向上させると耐衝撃性が低下しもろくなるため、衝撃を受けた際に発生する炭素繊維層と樹脂層の剥離などが問題となっていた。

 帝人はBMI樹脂の樹脂組成を適正化することでこれらを解消。世界的に難しいとされてきた「高次元での耐熱性と耐衝撃性との両立を実現した」としている。先に買収を発表した米レネゲード社のノウハウも活用し、航空機のエンジン部品など高温化で使用される用途に向けたグローバル展開を今後、加速する。