19年4月の新卒採用数/繊維 18社中11社で増/全社では増加が大勢

2019年03月29日 (金曜日)

 本紙「繊維ニュース」が繊維関連大手企業を対象に行ったアンケート調査によると、今年4月の全社ベースの新卒採用数は、回答を寄せた23社中20社で前年を上回る。繊維事業に限っても、回答企業18社中7社で減るが、11社では増える。

〈帝人の増加目立つ〉

 紡績会社の繊維事業では、増える企業と減る企業が相半ばする。4人減のクラボウは「毎年、要望により採用人数は増減する。19年はおおむね計画通りの採用実績となった」と言う。5人減のニッケは、「採用要件を満たす要員を確保できなかった」ためだとし、20年4月は「前年に確保できなかった要員も含め採用する予定」。1人減ながらも20年は1人増を計画するシキボウは「業績と今後の操業・技術の継承を勘案」した結果だと言う。

 一方、トーア紡コーポレーションは3人増となった。「大卒以上の新卒採用を再開したため」。オーミケンシは「高卒採用増」で、4人増えた。日清紡ホールディングスは前年並みだが、20年4月は「事業強化のため」、大卒採用を1人多い4人とする。

 合繊メーカーの繊維事業では帝人が、「工場交替勤務者採用増」によって12人増となる。20年4月は、同要因に「営業要員増員予定」が加わり、19年4月比22人の大幅増を計画する。「安定的に新卒採用を行っている」旭化成は1人減で、20年4月は1人増の計画だ。ユニチカは「退職者の補充もあり」4人増。ただし20年4月は、19年4月よりも減ると予想する。

 商社の繊維事業では三井物産が2人減となる一方、三共生興が9人増える。三共生興は20年4月も19年4月並みの採用を予定している。

〈アパレルは販売職確保に苦慮〉

 アパレルではワールドが、303人と大量に採用するものの、前年に比べると203人の大幅減となる。「売り手市場による採用マーケット激化や、アパレル業界、特に販売職の人気不振」などによる。20年4月は、「新規事業に対応する人材の確保、欠員補充、19年採用で獲得できなかった人数確保」などを狙い、19年4月比114人増の採用を計画する。

 TSIホールディングスは「18年4月、19年4月とも320人を採用する計画」だったが、両年とも計画に達しなかった。20年4月も320人の計画で臨む。

 レナウンは「前年同数を採用する計画で臨み、総合職は計画通りとなったものの、販売職が昨今の学生の売り手市場の影響で若干のマイナス」となり、前年を6人下回る。20年4月は、「販売職は前年並みの人数を採用するが、総合職が人員構成の見直しで減少」するため、19年4月比14人減を計画する。

 オンワードグループは、11人増と、「厳しいマーケットの中では比較的堅調に採用活動を行うことができた」。20年4月も19年4月並みの採用を狙う。

 三陽商会は「販売員職を正社員として募集した」ことで33人の大幅増となった。20年4月も19年4月並みを計画する。