ユニチカ/新社長に上埜代表取締役/「収益基盤強化が使命」

2019年03月29日 (金曜日)

 ユニチカは27日、大阪市内で会見を開き、6月27日付で上埜修司代表取締役兼常務執行役員が代表取締役兼社長執行役員に就く人事を発表した。注連浩行代表取締役兼社長執行役員は同日付で代表権のある会長に就く。

 上埜氏は会見の冒頭で、「注連社長がこれまで進めてきた中期経営計画を引き継ぎ、ユニチカグループの収益基盤をさらに強化して成長につなげることが私の使命。これを果たせるよう誠心誠意努めていく」とあいさつした。

 自社の収益基盤について「幅広い繊維の技術と、プラスチック分野における高分子技術の二つが根幹となる」と述べ、「これらのコア技術を強化、そして結び付けることで新たな事業やユニークな商品を生み出し成長を図る」と話した。

 新たな事業の具体的な内容について問われた上埜氏は、「SDGsなど環境への貢献が求められる時代になり、当社の活性炭繊維、ナイロン中空糸、生分解性のあるポリ乳酸樹脂・繊維『テラマック』などさまざまな環境素材に商機が来ている。このように時代や顧客のニーズに合ったものを当社の商材、強みの技術に当てはめていくことが新事業につながる」と話した。

 注連社長は交代の理由について「2019年度は当社創業130周年、ユニチカ発足50周年の節目であり、後任が育ってきたということもあり、できるだけ早いタイミングで世代交代をしようと思い決断した」と話した。

 上埜氏について「これまで経営課題にしっかりと対応し、多大なる成果を出した。また変革に対して意欲的、行動的であり、今後の当社の成長を推進するに当たり、社長として適材と判断した」と述べた。

 2014年から経営再建を託された自身の在任期間について、「最初の3年でポートフォリオの改革をやりきった」と振り返り、「その後は営業利益率の向上、自己資本比率20%の達成、有利子負債の削減など、ある程度のところはできているがまだまだ道半ばではある」と語った。