帝人とセンコー/ICタグで新物流システム/作業効率を向上

2019年04月01日 (月曜日)

 帝人は、物流大手のセンコーと共同開発したICタグによる商品入出荷システムの本格的な運用をセンコーの物流センターで開始した。開発したのは帝人の在庫管理システム「レコピック」をベースに物流センターで実際に運用できるよう改良を加えたもの。

 レコピックは特殊な2次元通信シートにより発せられる電波の距離を制御することで、ICタグを貼付した管理対象物をピンポイントで読み取ることができるRFIDシステム(無線通信による商品の個別管理システム)。図書館や企業での文書管理、医療機関での機器管理など幅広い用途で使われている。

 センコーグループは物流センター内の省人化・機械化を進めており、昨年4月にAI(人工知能)化プロジェクト、ロボティクスプロジェクトを立ち上げた。

 今回は後者の一環で、昨年8月から大阪府内の物流センターで試験運用を開始し今年2月、大分メディカル物流センターに新システムを導入した。

 同センターでは、入出庫などのたびに作業員がフォークリフトから降りて、商品や保管ラックのバーコードを読み取っていた。新システム導入後は、荷物や保管ラックにICタグを、フォークリフトに読み取り専用アンテナシートを取り付けることで自動的に商品データを把握できるため、作業効率の向上、誤出荷防止などが期待できると言う。

 センコーは全国の物流センターへの導入も検討しており、帝人との連携でシステムの運用実績を積み重ねていく。