ユニチカトレーディング/海外・製品で衣料繊維を前年増へ/サステイナブル素材で拡販

2019年04月10日 (水曜日)

 ユニチカトレーディング(UTC)は中期計画の最終年度となる2019年度、衣料繊維事業で進める「てこ入れ策の効果を具体化させる」(細田雅弘社長)とともに、リサイクルポリエステル「エコフレンドリー」やバイオマス素材「テラマック」を打ち出し拡販を計画する。

 同社は17年度から19年度までの中期3カ年計画を進めている。18年度までの2年間は、衣料繊維事業へのてこ入れのため、海外生産体制の拡充に着手した。ベトナム、インドネシアに生産・販売拠点を構築し、ユニフォームを中心とする海外オペレーションに力を入れてきた。

 製品事業の拡大とも取り組み、19年度で売り上げに占める製品事業の比率を20%に引き上げる。さらに20年度からの中計で25%を目指す。

 昨年、苦戦を強いられたスポーツを海外生産、製品事業を組み合わせた取り組みで反転させることを19年度の課題の一つに位置付ける

 エコフレンドリーの拡販も計画し、婦人ファッションへの用途拡大を検討。20春夏からの本格販売を目指し、婦人アパレルとの話し込みを続けている。

 定番以外へもリサイクル糸のバリエーションを広げるための商品開発を加速する。スポーツ向けの戦略素材である耐久撥水(はっすい)「タクティーム」などをリサイクル化するとともに製品OEMでの提案も含めて、海外スポーツブランドへのアプローチを改めて強化する。

 この間、UTCの衣料繊維事業は右肩下がりを続けてきたが、18年度で歯止めをかけられる見通しで、19年度以降、「一気に反転にはならないが、前年増へと転換させる」との意欲を示す。

 バイオマス素材テラマックでこのほど、ユニチカ本体がストロー向けの樹脂グレードを開発した。UTCが販売を担当する。

 ある顧客と最終の評価を既に進めており、遅くとも下半期にストロー向けテラマックの販売を立ち上げる。

 紙コップの内側にコーティングする樹脂を開発してほしいというニーズも寄せられ、テラマックでは「繊維にこだわらず、あらゆる用途への企画提案を強化したい」と話している。