ユニチカトレーディング レディス営業部/環境を成長の原動力に/今期は飛躍の土台築く年

2019年04月22日 (月曜日)

 ユニチカトレーディングのレディス営業部は、エコロジー対応を原動力にした成長戦略を描く。今期(2020年3月期)を飛躍のための土台を築く年と位置付け、環境配慮型ポリエステル素材の新冠ブランド「エコフレンドリー」を国内外に積極発信する。エコを切り口とした提案で売り上げと利益を着実に伸ばす。

 婦人服市場が盛り上がりを欠き、同営業部の前期業績も「苦戦を強いられた」(森本恵治レディス営業部長)。織物の伸び悩みが響いたが、ニット(丸編み)は健闘し、ジャカードなどが比較的動いた。全体としても期後半から回復気配が見え始め、この流れを本流に変える。

 その起爆剤となるのが、使用済みペットボトルや繊維生産工程で発生する廃材を回収、マテリアル・ケミカルリサイクル技術を駆使して再生したポリエステル素材エコフレンドリー。反発性に優れる「ペオス」をはじめとする差別化素材と組み合わせる(原料をリサイクルに置き換える)ことで訴求力を高める。

 本格販売を始める20春夏では、バイメタル構造ハイブリッドヤーンを用いた高反発性快適素材のペオスのほか、繊維表面に特異な凹凸構造を持つ「ジュフィー」、適度な膨らみと反発感などが特徴の「ノイエ」でケミカルリサイクル原料(当面は工場の廃材を使用)を活用する。

 ペオスは、欧州トップメゾンからの評価も高く、エコフレンドリーと組み合わせることで、石油資源の消費抑制やCO2排出量削減、ごみの削減(発生抑制)も訴え、拡販につなげる。ノイエなどの展開も強め、現状で約10%の輸出比率を向上させる。

 今期は、引き続き厳しい事業環境が予想される中で、増収増益を計画する。「スポーツやユニフォーム用途は20年の東京オリンピックまでは順調な推移が予想されるが、五輪以降は減速の可能性もある。その時にレディス営業部がけん引できるよう、エコ素材の提案で足元を固める」(森本レディス営業部長)と強調する。