帝人フロンティア/バインダー原綿増産/再び成長路線に

2019年04月26日 (金曜日)

 帝人フロンティアの短繊維素材本部は、衛材向けに販売するポリエステル・バインダー原綿で60%の増産を実施するなど、2019年度以降、同事業を再び成長路線に乗せるための攻めの経営に転換する。

 同社は、ポリエステル短繊維の生産を徳山工場から海外に移管する構造改善を17年度で完了。18年度で「その後の体制固めを終えた」(宮堂倉一執行役員産業資材部門短繊維素材本部長)と言う。18年度は、若干の増収増益を確保できるとみる。19年度以降は増販、増収増益へと大きくかじを切り、機能原綿の拡販で同本部業績を成長路線へと回帰させたいと考える。

 東南アジアでは、紙おむつを中心とする衛材向けの販売が好調なため、バインダー原綿の生産を移管したタイ子会社がフル生産・フル販売を続けている。増大する需要を取り込むため、インドネシアの協力工場でバインダー原綿の増産を進めており、生産能力を60%増強。その大半の販売を帝人フロンティアが担い、中国やタイ、台湾、マレーシアなどへ売り込む。

 国内では、「超差別化に位置付ける」0・6デシテックスの原綿の増産を進め、遅くとも下半期中に生産を開始する。新タイプの原綿開発にも力を入れ、来年度中の完成を目指す。

 サステイナブル(持続可能な)を意識した取り組みを課題に位置付けて、「どの用途に焦点を絞るかを検討」した上で、リサイクル原綿の拡販に乗り出していく。