19年3月期決算

2019年05月10日 (金曜日)

〈原材料高などで増収減益/帝人〉

 帝人の2019年3月期連結決算は、売上高8885億円(前期比6・4%増)、営業利益600億円(14・1%減)、経常利益602億円(11・1%減)、純利益450億円(1・1%減)だった。原材料価格上昇やコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス社(CSP)の新規受注に伴う一時費用増などが利益を押し下げた。

 マテリアル領域は売上高6716億円(7・5%増)、営業利益235億円(30・1%減)。アラミド繊維やCSPの複合成形材料、炭素繊維、衣料機能性素材などが増収に寄与した。

 中期経営計画最終年度の今期見通しは、売上高9100億円、営業・経常利益は各600億円、純利益410億円。堅調なアラミド繊維の生産能力増強と拡販、CSPの生産性改善などでマテリアル領域の増収増益を確保し、前期並みの営業利益を維持する。目標のROE10%以上、営業利益ROIC8%以上は達成見込み。EBITDA(営業利益+減価償却費で算出)は1150億円で目標の1200億円超未達の見通し。

〈純損失を計上/東洋紡〉

 東洋紡の2019年3月期連結決算は売上高3366億円(前期比1・7%増)、営業利益217億円(9・2%減)、経常利益177億円(12・9%減)、純損失6億300万円(前期は130億円の利益)となった。

 繊維・商事は5・4%の減収となったが営業利益は前期の6億4500万円から9億1400万円に増えた。産業マテリアルは4・7%の増収だったが利益は43億円から26億円に減った。

 昨年9月、敦賀事業所第二で発生した火災事故の影響などで192億円の特別損失を計上したため、純損益が赤字に転落した。

 今期は売上高3500億円、営業利益220億円、経常利益180億円、純利益170億円の見通し。