この人に聞く/帝人フロンティア 繊維素材本部 ユニフォーム部部長 門脇 秀樹 氏/ワークウエア、海外にも販売

2019年05月10日 (金曜日)

 ワークウエアを中心に活況が続くユニフォーム市場。糸や生地を販売する素材メーカーもユニフォーム事業に力を入れる。4月に、帝人フロンティアの繊維素材本部ユニフォーム部部長に就いた門脇秀樹氏に展望と課題を聞いた。

  ――これまでどのような分野を担当されたのですか。

 1990年に入社し、婦人衣料部やグループ会社のタイナムシリインターテックス駐在を経て、2008年に原料部隊に異動しました。4年間のインテリア課勤務などを経験し、16年4月に原料部長に就任しました。今年4月にユニフォーム部長に就き、11年ぶりにテキスタイル部門に復帰しました。ユニフォームは初めてです。

  ――市場では一般衣料の販売が伸び悩む一方、ユニフォームは好調です。19年3月期のユニフォーム事業の商況は。

 西日本のワークウエア需要が全体を押し上げ、前期を上回りました。20年3月期は、19年比で10~15%の増収を見込んでいます。ワークウエアは海外からの案件もあり、期待しています。

 課題もあります。ここ数年、生産キャパシティーや営業力の問題で、大型案件を取れないことも少なくありませんでした。

 19年は、自社以外の生産工場を活用してでも販売を増やしたいと考えています。原糸の販売先には北陸などの織布工場も多く、4月からユニフォームの大型案件の取り組みを始めています。

 4月の組織改正では、帝人の官需ユニフォーム課を当社に移管し、全てのユニフォーム事業を行っています。同時にユニフォーム部の人員を増やし、営業力にも磨きをかけています。

  ――20春夏向けにワークウエアの生地ブランド「ラクラクワーク」を発表しました。

 特殊捲縮(けんしゅく)糸を使うことでさまざまなワークシーンに対応するストレッチ性を持ち、洗濯耐久性に優れた織物を開発しました。バイオ由来原料を使ったタイプもあり、幅広く展開します。これまでワークウエアをまとめたブランドはなかったので、良い打ち出しができたと思います。初年度は15万メートルを販売したい。

 当社はユニフォームのコンセプトブランドとして環境に配慮する「エネセーブ」を掲げています。「環境、安全安心、快適」のテーマに沿った素材開発で、ウエアを着用するユーザーに共感していただくことが、実績につながると思います。

 日本は人口減少が進み、労働現場でユニフォームを着用する人が減っていくでしょう。海外に向けた提案も進めていきます。