デサント/伊藤忠商事と企業価値の向上で認識一致
2019年05月14日 (火曜日)
大阪市内で開いた決算会見で、デサントの辻本謙一取締役兼常務執行役員によると、小関秀一氏らは4月15日付で顧問に就任して以降、オブザーバーとして経営会議や役員会、組合との労使協議会などに出席しており、「デサントとしての企業価値を高めていくという点でわれわれと認識を共有できている」と言う。
伊藤忠商事とは協定書を既に締結。さまざまな案件について「前向きに引き継いでいきたい」と言い、新経営陣が今期方針や中期計画などを7月下旬以降、発表する。
ワコールとの業務提携では、20春夏から共同企画による新商品の販売が立ち上がる。経営体制が変わっても「全体としての打ち切りはない」と言い、伊藤忠側が個々の案件について「是々非々で判断される、と聞いている」と説明した。
〈売上高は過去最高 特損計上で減益/19年3月期〉
デサントの2018年度連結は売上高1424億円(前期比0・9%増)、営業利益79億円(17・3%減)、経常利益84億円(12・8%減)、純利益39億円(31・7%減)と過去最高売上を更新したものの、27億円の特損計上で大幅減益となった。
エリア別の状況では、日本、韓国、その他アジア、欧米が増収。香港・台湾を含む中国は減収だったが、中国は現地通貨ベースで46%の増収。直営店舗数は前年の64店から118店に増えた。
ブランド別では、「デサント」「アンブロ」が増収、「ルコックスポルティフ」「マンシングウェア」「アリーナ」その他が減収。日本ではデサントが18億円、ルコックが11億円の増収と好調だった。
「イノヴェイト」ののれんの減損など18億円、「スキンズ」ブランドに関連する債務保証損失引当金など6億円の特損計上で純利益を大きく後退させた。
今期は売上高1440億円、営業利益80億円、経常利益82億円、純利益53億円を見込んでいる。