クローズアップ/帝人フロンティア 衣料第一本部 テキスタイル第二部長 前田 研之 氏/内外統合で化学反応引き出す
2019年05月21日 (火曜日)
帝人フロンティアは4月の組織改正で、国内外のテキスタイル販売をテキスタイル第二部に統合した。今回の統合を通じさまざまな局面で相乗効果を発揮させていくのが狙い。4月1日付で同部長に就任した前田研之氏に2019年度(20年3月期)の方針を聞いた。
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――4月1日付で組織を再編しました。
テキスタイルを販売する輸出部隊と内地部隊とを統合し、テキスタイル第二部としました。マーケットはボーダーレス化していますし、元々、同じ産地で作る同じ商品を扱っていた部隊ですから、二つを統合することでプラスの化学反応を引き出していくことが19年度の大きなテーマです。
――18年度を振り返ると。
17年度の業績が良くなかったため、増収増益になりました。国内販売は微増でしたが、欧米、中国向けが好調で輸出を10%強伸ばすことができました。中東向けでも何とか前年実績をクリアすることができました。
――19年度をどうみていますか。
国内外で不透明感が強まってきていますが、基本的には国内、輸出でともに増収増益を目指していきます。それと、海外市場における「ソロテックス」の認知度アップ、エコ素材の開発・拡販、海外での製品ビジネス拡大に取り組みます。
――国内ではポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維ソロテックスへの認知が進んでいるようですが。
ブランドとしてのソロテックスがだいぶ知られるようになってきましたが、海外がまだまだです。日本では合繊のセットアップのようなアイテムが浸透しているため、ソロテックスの売れ行きも好調です。一方、EU(欧州連合)はいまだに合繊への抵抗感が強い。しかし、一度着てみれば、着用感の良さを分かってもらえるでしょう。
――「プルミエール・ヴィジョン」などでの販促に取り組んできました。
イタリアやフランスの著名ブランドに対する提案を強化し、タグの支給などを通じブランド浸透を目指していきます。20春夏に向けてはスパンを戦列に加えました。スプリングコートやブルゾン狙いで開発した40使いのタイプライタークロスを定番として打ち出します。
――婦人・紳士向けにもエコを導入する。
われわれが扱っているのはファッション素材ですからエコを打ち出すのは簡単じゃありません。しかし、ここに来て海外からの引き合いが増えてきており、ファッション素材にもサステイナブルが必須になりつつあります。エコ素材の基準を設けた上で、独自のブランド戦略を導入し販売を立ち上げたいと考えています。