帝人フロンティア/綿調ポリエステルニット開発/感性、機能、環境の三位一体

2019年06月07日 (金曜日)

 帝人フロンティアは、リサイクルポリエステル長繊維を使った綿調ニット生地「アスティ」を開発した。原糸・加工技術などを駆使して綿の外観と風合いを再現したほか、ポリエステル短繊維使いの生地と比べて繊維が抜け落ちにくいのも特徴だ。感性と機能、環境対応を兼ね備えた生地として20秋冬からスポーツ用途などに提案する。

 細い部分と太い部分を不均一に混在させる特殊むら延伸技術から生まれた糸とソフト仮撚り糸を組み合わせた加工糸(アスティ用加工糸)をベースに、編み地表面の最適立体構造化と低張力加工工程設計(染色加工技術)を融合。綿の自然な外観と柔らかな風合いを表現することに成功した。

 吸水速乾性や汗によるべたつきの防止、抗スナッギング性といった機能も持つ。酸化チタンを練り込んだリサイクルポリエステルを用いているのもポイントで、防透性や紫外線カット性を実現。リサイクル糸の使用や繊維が抜け落ちにくいなど、環境にも配慮している。

 20秋冬からスポーツ・アウトドア向け衣料で訴求するほか、ファッションや学生服・ユニフォームにも展開する。丸編みでスタートし、順次織物にも広げる。20年度に20万メートル、22年度に100万メートルの販売を目指す。

 今日7日まで東京都港区のプラザマームで開催中の「20秋冬スポーツウェア素材展示会」で紹介している。新素材のほか、多様な素材が並ぶ。大阪展は11、12日に大阪市淀川区のレ ルミエールで開く。