帝人フロンティア 20秋冬スポーツ/アセアンでのSC拡充/「アスティ」でTシャツを代替

2019年06月20日 (木曜日)

 帝人フロンティアはスポーツ素材の20秋冬で、商品開発を徹底するとともにアセアンにおけるサプライチェーンを充実させることで「再度、右肩上がりに戻す」(中谷太一テキスタイル第一部長)との方針を掲げる。

 同社によると、2016年度、17年度と2年連続で増収増益を達成したものの、18年度は原燃料や物流費の高騰などの影響で増収減益にとどまったという。

 しかし、9月に開催されるラグビーワールドカップ以降、スポーツ関連市場について「市況回復を期待できる」とみている。この間、開発を強化してきたプロモート素材群を重点的に投入するとともに海外生産拠点を駆使した取り組みで業績反転を目指す。

 先に東西で開いた20秋冬向けスポーツ素材展では、イチ押し素材として「アスティ」を出展した。綿のような質感、表面感を持たせたほか吸汗速乾性、肌離れの良さなどの機能性を発揮するところが特徴。再生ポリエステル使いもラインアップする。28~46¥文字(G3-1007)の丸編みで綿のTシャツのゾーンに攻勢をかける。ローゲージの肉厚素材、織物も開発中。

 このほか、高バランス素材「デルタ」、PTT繊維「ソロテックス」シリーズ、エコ素材などを打ち出した。エコ素材では、リサイクルポリエステル、バイオ原料使いの「ソロテックス」、フッ素フリーの後加工などで商品ラインを増強している。

 スポーツ素材の全販売量のほぼ3分の1を占めるアウトドア向けはほとんどがエコ素材に置き換わったという。欧米向けを先行しリサイクル原料による「デルタ」への置き換えにも着手している。

 同社は「顧客が望むサプライチェーンを作れるかどうかが拡販のカギを握っている」とみている。ベトナムやインドネシアの協力工場との連携を通じ、ニットの海外生産体制を拡充。大きな商売を受注したときの受け皿として機能させていきたいと言う。

〈CSRセミナー開催/国内では初〉

 帝人フロンティアは「サプライチェーンCSRセミナー」を27日、石川県小松市の帝人加工糸で開催する。

 エナジェティックグリーンが“CSRの潮流”をテーマに、帝人フロンティアが“CSR調達の進め方”及び“外国人技能実習制度に対する取り組み”をテーマにそれぞれ講演する。

 外国人技能実習制度が注目を集める中、同社は今回、同セミナーを初めて日本国内で開催することとした。2012年より同セミナーを開催しており、これまでベトナム、ミャンマー、中国で計8回開催してきた。