帝人商事〈上海〉/生地販売がけん引/19年1~6月は増収増益

2019年08月21日 (水曜日)

 【上海支局】帝人フロンティアの上海法人、帝人商事〈上海〉の2019年1~6月期業績は、前年同期に比べ増収増益だった。衣料繊維事業の生地販売がけん引した。一方、足元では景気が悪化しており、今後も好調を維持できるかは予断を許さないと言う。

 生地販売は、日系SPA向け、中国内販、日本などへの輸出がともに堅調に推移した。中でもグループ会社の南通帝人が生産する差別化商材が好調だった。「ブランド力があるほか、環境対応への顧客からの評価も高い」と橋場徹董事長は話す。

 ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」を使った糸売りは、日本向け製品の生地を生産する現地メーカーへの販売がこれまでメインだったが、この1年で内販向けも伸び始めた。「中国でも知名度が高まってきた」(橋場董事長)と言う。

 中国ではアパレル市況が低迷しており、生地販売が今後その影響を受ける可能性がある。自動車エアバッグ基布とカーシートの内販を主力とする産業資材も、中国での新車販売の低迷を受け、商況は芳しくない。

 こうした中、今年後半は得意の秋冬物がシーズとなる製品OEM/ODMに特に力を入れていく。