ユニテックス/環境素材の販売増加/国内シャツ地用途で

2019年09月03日 (火曜日)

 ユニチカのインドネシア紡織加工子会社、ユニテックス(西ジャワ州ボゴール)が日本向けシャツ地用途で環境配慮型原糸“エコパルパー”の販売を増やしている。

(ジャカルタで橋本学)

 “エコパルパー”は、ポリエステル短繊維を綿でカバリングした複重層紡績糸「パルパー」のポリエステルに再生素材を使った糸の通称。廃棄ペットボトル由来のポリエステルを使うため石油由来素材のリサイクル、廃棄削減に貢献する。

 これまでも日本向けのユニフォーム用生地の商材の一つとしてエコパルパーを使った生地を供給してきた。ところが近年、アパレルの環境への意識の高まりから日本で売られるシャツ地用途原糸(40番単糸、50番単糸)の需要が拡大しているもよう。現地で再生ポリエステルわたを調達し、糸でユニチカグループの海外販社と連携して拡販する。

 本田一馬社長はエコパルパーについて「シャツ地向けでこれから商機が拡大する余地がある」と述べる一方、「再生素材の需要は年々高まっており、再生わたの原料価格が高騰した時に、価格面で顧客の理解を得られるかが課題」と指摘する。

 同社の2019年12月期業績は前期比増収増益の見通し。同社の主力は日本市場に向けたユニフォーム用生地販売と現地のアパレル向けのシャツ地(織物)販売が2本柱。売上高全体を両セグメント50%ずつで構成する。

 ポリエステル65%・綿35%の日本向けのユニフォーム用生地輸出は前期比引き続き好調で業績をけん引。建築、工事、製造現場などの作業服用途で活発な動きが続き、不振のシャツ地販売をカバー。

 シャツ地内販は先染め糸を使った柄物を中心にここ2年ほどで大きく落ち込んだ。今上半期に底を打ったようで、わずかながら回復基調にある。ただ、インドネシア国内の衣料品市場は、中国からの密輸品が安値で流通するなど日系企業の素材が容易にシェアアップするには厳しい環境が続く。