大直/自社ブランドで環境強化 帝人フロンティアと連携

2019年09月06日 (金曜日)

 和紙製造卸の大直(山梨県市川三郷町)は、ファッション雑貨・小物の自社ブランド「紙和(SHIWA)」で環境への取り組みを深める。帝人フロンティアのペットボトルリサイクル繊維「エコペット」を使ったバッグなどを商品化しており、東京都中央区の銀座伊東屋本店で開催中のイベントを通じて消費者に訴える。

 紙和は新事業創出の一環として2008年に立ち上げたブランド。木材パルプとポリオレフィン繊維を原料とした和紙「ソフトナオロン」とエコペット使いの和紙「ハードナオロン」を用いたファッション雑貨やステーショナリーなどのアイテムを取りそろえている。

 これまで素材にペットボトルリサイクル繊維を使っていることは大きく打ち出してこなかったが、「昨年ぐらいから環境対応への意識が高まりつつあるのを感じるようになってきた」ほか、全体の約2割が海外向けであることなどから考え方を転換。環境素材の活用を消費者に積極的にアピールする。

 18日まで開催している銀座伊東屋本店でのイベントもその一環となり、バッグやペンケースなどを並べたが、帝人フロンティアが全面協力。マテリアルリサイクル工程を説明したパネルの展示、フレークやペレット、わたも見せた。帝人フロンティアは「エコペットを知る消費者は少ない。外国人も多く来店し、良い機会だと思う」と言う。

 ハードナオロンはポリエステル100%和紙だが、エコペットの比率は60%。今後は比率の向上や100%使いの開発も検討する。環境への意識が高い海外市場へのアピールも一層強める方針で、フランスのインテリア・雑貨の国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」への出展復活を検討する。