帝人フロンティア/バグフィルター素材を増強/新中計でバグ、湿式、「ベルオアシス」伸ばす

2019年09月25日 (水曜日)

 帝人フロンティアの機能資材本部はバグフィルター向けに販売する不織布の商品ライン増強に力を入れている。ポリエステルナノファイバー「ナノフロント」の販売を先行させており、PPS(ポリフェニレンサルファイド)繊維やメタ系アラミド「コーネックス」、フッ素繊維などによる開発を強化し石炭火力発電所やセメントの焼成工程といったバグフィルターが使われるさまざまな領域をカバーできる商品ラインの構築を目指す。

 同本部は環境資材、産業資材、生活資材をターゲットに不織布の拡販に取り組んでいる。コアに位置付けるバグフィルターでの取り組みを重視しており、ナノフロント使いの商材を2017年から投入。中国のセメント工場向けを中心とする販売量を順調に伸ばしてきた。

 耐熱性が要求されるセメント工場の焼成工程にも用途を広げるため、コーネックスの極細タイプでバグフィルターを開発し、既に中国で実地テストを進めている。

 石炭火力発電所などをターゲットにPPSナノファイバーやフッ素繊維による商品開発にも並行して取り組み、バグフィルター向けの広範な商品ラインを構築しアジア全域への商圏拡大を目指す。

 ナノフロントやナイロン、ポリプロプレンのナノファイバーによる不織布で水処理用カートリッジフィルターの開発・販促にも力を入れている。飲料メーカーなどでの採用が広がっているといい、バグフィルターに続く柱用途への育成を急ぐ。

 同社は現在、20年度(21年3月期)からの新しい中期3カ年計画の策定に取り組んでいる。新中計では、バグフィルターやRO膜の基材に使われる湿式不織布、吸水・吸湿繊維「ベルオアシス」などの拡販で、「本部トータルの業績を20~30%伸ばす」方針。5G(第5世代移動通信システム)への移行に合わせた商材の開発にも意欲を示しており、2~3年後の具体化を目指す。