進化する糸 北陸ヤーンフェア(中)/エコ・サステ対応増える

2019年10月02日 (水曜日)

 「北陸ヤーンフェア2019」は「進化する“糸”、深化する“エコロジー・サステイナビリティ”」がテーマ。世界的にも機運が高まるだけに、出展者もエコロジーやサステイナビリティー(持続可能性)に対応した糸の提案を重視している。

 北陸ヤーンフェアは合繊メーカーが前回からそろい踏むが、今回は全体テーマにのっとった提案が主体。東レは、「サステイナブル(持続可能な)素材を使用し、合繊の特徴である機能性を組み合わせた」提案を行う。

 帝人フロンティアは、ペットボトル再生繊維「エコペット」や部分バイオ原料を用いるポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」など環境配慮型長・短繊維をメインにする。

 旭化成は、スパンデックス「ロイカ」の単独出展で、ソフトパワー「ロイカHS」消臭「ロイカCF」に加え、スパンデックスとしては世界初のGRS認証を取得した再生原料使いの「ロイカEF」を打ち出す。

 旭化成アドバンスも、キュプラ繊維「ベンベルグ」、再生セルロース繊維、アセテート繊維などサステイナビリティー素材に重点。「コアコンピタンス」とする北陸を拠点としたモノ作りを生かし、セルロース系の新加工糸、付加価値糸も提案する。

 蝶理は、再生ポリエステル長・短繊維「エコブルー」がメイン。環境対応に力を入れる姿勢を訴求する。現在、取り扱い品種は100種類。国内の仮撚加工場などと連携した、独自性のある高付加価値糸を打ち出す。

 北陸産地の糸加工メーカー、糸商も同様だ。シモムラ(石川県小松市)は、ペットボトル再生糸による先染め糸をさまざまな糸加工との組み合わせで、山甚撚糸(福井市)はトリアセテート長繊維とレーヨンやキュプラ繊維との複合糸や再生ポリエステル長繊維を使った複合加工糸を出品する。

 タロダ(石川県内灘町)はペットボトル再生長繊維でストレッチ性を持つ先染め糸「エコッタα」など、川プロ(石川県かほく市)は旭化成の再生スパンデックスと再生ポリエステル長繊維との組み合わせたカバリング糸を提案する。その他もこうした出品が多いだけに、いかに違いを出せるかも重要になりそうだ。