A+A2019プレビュー 世界の労働安全市場へ(4)/欧州での認知度向上も競争に

2019年10月10日 (木曜日)

 欧州に拠点を持つ日系企業は長年「A+A」への出展を継続してきた。今回の「A+A2019」も帝人やYKK、カネカといった常連の企業が参加する。

 出展10回目の節目となる帝人は、メタ系アラミド繊維「コーネックス」、パラ系アラミド繊維「トワロン」「テクノーラ」など防護服向けの工業用テキスタイルの技術力をアピール。同素材は、耐切創、耐熱、対炎が求められる衣料用途、保護用手袋向けにも使用され、同分野のリーディングサプライヤーとしての地位の強化を目指す。

 11回目のYKKは今回も、「ジップ&プロテクト」をテーマに難燃、防水、産業、その他特殊品の四つの切り口で商品を紹介する。同テーマで、スポーツ・アウトドアやワークウエア・PPE(個人用保護具)など高機能が求められる分野に向けて、EMEA(欧州、中東、アフリカ)地域に継続してキャンペーンを実施。ニーズやトレンドなどの情報を収集する。

 カネカは4回目の出展で、難燃作業服分野でモダクリル繊維「プロテックス」の防護性と機能の高さを訴求、グローバルスタンダードに適応する素材であることを示す。二枚看板として打ち出している放電に対する耐性「耐アーク」、繊維の世界的な安全認証「エコテックス」で同繊維が高い水準にあることを広める。高視認性オレンジ市場の開拓も継続、プロテックス混による技術を発表する。

 2回目の出展となる東洋紡は引き続き、「カットレジスタンス」をテーマに高強力ポリエチレン繊維「ツヌーガ」の認知度向上を目指す。同繊維の原糸や手袋を展示する。

 欧米企業の日本の素材・副資材メーカーに対する品質や納期に対する信頼感は高く、海外に拠点を置く強みから、情報の察知も早い。日本よりもいち早く労働安全市場におけるトレンドを捉えながら、ニーズに沿った商品の供給に努める。