ユニチカトレ―ディング 21春夏スポーツ/素材も加工もエコ/ニットのエコ化を急ぐ

2019年12月16日 (月曜日)

 ユニチカトレーディングは21春夏向けスポーツ素材の販売で、環境配慮型の素材群を重点的に投入する。ケミカルリサイクルで生産するポリエステル「エコフレンドリー」やバイオマスナイロン「キャストロン」、植物由来の撥水(はっすい)加工「バイオメカ」を打ち出す。

 同社は11月13、14の両日、ドイツで開かれたパフォーマンス・デイズにエコフレンドリーによるノンコート撥水織物「タフレックス」、持続撥水織物「タクティーム」を出展。スポーツでは両素材を先行して打ち出し、エコへのニーズに応えていきたいといい、現在はピックアップのあったアウトドア系の顧客に着分の見本を送り商談を進めている。

 国内でも「いずれエコ素材へのニーズが強まる」(福田晃久機能素材営業部長)とみており、そのタイミングをにらんだ開発、提案を強化。21春夏からエコ化したタフレックス、タクティームを導入するとともに、ニットへもエコフレンドリーを広げるため吸汗速乾「ルミエース」のエコ化を急ぐ。

 バイオメカは植物由来の原料で新たに開発したフッ素フリーの撥水加工。ベースクロスもタフレックスのようなエコ素材で商品化した企画の販売を計画する。

 キャストロンは非可食植物のヒマ(唐胡麻)を原料に生産するナイロン11。ナイロンでもエコ素材を求めるユーザーからの要望が強まっているため、ウィンドブレーカーやインナー向けの織物、ニットをラインアップする。

 ◇海外生産を充実

 同社はこの間、インドネシア、ベトナムに構える現地法人との連携を通じ、海外テキスタイル生産の拡充を進めてきた。インドネシアでは年間を通じて協力工場をまわせる定番アイテムの育成を急いでおり、ベトナムでは早急にインドネシア並みの体制を構築し、21春夏物からスポーツ素材の量産をスタートさせたい考えだ。