ユニチカトレーディング 衣料繊維/ポリ長ケミカルを伸ばす/ベトナム一貫でスポーツ拡大

2020年02月26日 (水曜日)

 ユニチカトレーディング(UTC)の衣料繊維事業本部は、2020年度からスタートさせる中期計画の策定を進めている。中計では、環境配慮型素材による商品開発、用途開拓に精力的に取り組むとともに、ベトナムに構築した外注による生産体制を駆使したオペレーションでユニフォーム、スポーツなどでの新規商流開拓に力を入れる。

 UTCはケミカルリサイクルやマテリアルリサイクルで生産するポリエステルを「エコフレンドリー」ブランドに統合しプロモートする販促活動を本格化させている。特にケミカルによるポリエステル長繊維の品種拡大を急いでおり、21春夏からスポーツ向けの撥水(はっすい)「タフレックス」「タクティーム」の販売が先行する見通し。婦人服地やユニフォーム向けの企画提案にも力を入れており、今後3年でポリ長に占めるエコフレンドリーの比率を25~30%に拡大。「ゆくゆくは50%台に乗せたい」(渡辺巧衣料繊維事業本部長)とする。

 これらエコ素材も交えた企画提案で輸出市場へのアプローチも促進。この間、「A+A」展や「パフォーマンス・デイズ」への出展を通じユニフォームやスポーツ分野の顧客開拓を進めており、20年度中のデリバリーを目指している。

 ハノイに構えた現地法人による取り組みで、ベトナムに外注による糸から縫製に至る一貫体制を固めつつある。ホーチミンには技術系のスタッフを置き、ベトナムで生地を開発する体制を充実させており、20年度以降これらをフルに機能させ、スポーツやレディースカジュアルでのテキスタイルや製品OEMの拡大につなげていく。

 同社はベトナム、中国、インドネシアに外注の縫製拠点を確保しており、コスト競争力を維持していくため、ミャンマー、カンボジアといった周辺国での取り組みを立ち上げるための調査にも乗り出している。