東洋紡STC/オーガニック前面に/GOTSの取得目指す

2020年03月04日 (水曜日)

 東洋紡STCは21春夏向けのインナー・肌着素材で、サステイナビリティー(持続可能性)が注目を集めていることを踏まえ、オーガニックコットンによる機能素材群を重点的に投入する。

 昨年12月に開いた同シーズン向けのグループ総合展で「爽快コット―O」「デオドラン―O」を出展したところ、「反響があった」としており、両素材を軸に企画した商品群で拡販を目指す。

 爽快コット―Oはオーガニックコットンをミックスした綿100%素材で、吸汗速乾性、清涼感が特徴。デオドラン―OにはPHコントロール性能、消臭性能をもたせた。

 同展では、春夏ならではの機能性を訴求したものの、来場者はエコ素材であることの方への関心が高かったという。オーガニック繊維に関する「OCS認証」を既に取得しており、今後はより難易度が高いという「GOTS認証」も取得し、オーガニック使いであることを前面に打ち出したい考えだ。

 同社は経編みのニッターにサイジングした綿糸をビームで供給する「サイプス」を展開しており、21春夏では綿100%やレーヨン混を投入。いずれはエコ企画もラインアップするとともに、婦人ボトムやドレスシャツへの用途拡大にも力を入れる。

〈中国内需掘り起こす〉

 東洋紡グループでは日本エクスラン工業が秋冬の肌着向けにマイクロアクリルを展開している。東洋紡STCの中国での取り組みはそのほとんどが日本への持ち帰りだった。

 現在、中国の内需開拓に本腰を入れて取り組んでおり、遮熱性能、防透け性能に優れたポリエステル紡績糸「トライクール」などが引き合いを集めているという。

 コロナウイルス騒動で商談の中断を余儀なくされているものの、騒動が収まり次第、顧客へのアプローチを再開し、21春夏商戦からの本格販売を目指している。