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ベンベルグの時代 サステ機運を追い風に(4)/デビス/これからもメイン素材

2020年03月05日 (木曜日)

 デビスが旭化成のキュプラ繊維「ベンベルグ」を取り扱い始めて30年強。フィブリル加工を施した表地のみを販売してきた。スービ・デビス社長が福井県工業試験場で修業していた際、ベンベルグ裏地を誤って洗い加工に掛けてしまう。それが欧州の代理店から求められていたシルクの風合いと同じだった。これを欧州の代理店に送ると、すぐに成約。「売れすぎて、ソールドアウト。要望に応えられない大ヒット商品になった」。それは今も続いている。

 当初は1品番のみだったが、現在では撚糸物からジャカード、編み地などアイテムを広げており、フィブリル加工品もハード、ソフト、その中間などさまざま。生機だけでも100種類以上をそろえており「ベンベルグはメイン素材の一つ。しかも売れている」と話す。

 特にエコロジー、サステイナビリティー(持続可能性)の意識が高まる中で、ベンベルグの販売量が増えている。同社は2020年に環境配慮型素材比率を20%に掲げていたが、既に25%に高まった。その代表素材がベンベルグという。

 「旭化成はサステイナビリティーに対して真剣に考えている。タイミングよく環境認証も取得している」と評価。「欧米のサステイナブル・デベロップメント企業はベンベルグなどのセルロース繊維を積極的に使うようになっている」中で、今後も「ベンベルグは当社のメイン素材」と言い切る。

 欧米ファッション衣料だけでなく、中東市場の開拓にも取り組む。それはエコロジー、サステイナビリティーという観点だけではない。

 ベンベルグが持つ「夏は涼しいなど着用快適性」が中東市場でも生きるからだ。3年前から開拓に着手。今ではアウター用と同じ生機を使った商品が定番的に売れている。それもトーブなど民族衣装だけでなく、女性用アウター衣料でも採用されている。「中東諸国は大きく変化している。今後はプリント品やジャカードなども可能性がある」と見通す。

 ベンベルグの糸は高いといわれるが、デビス社長は「決して高くはない。その価値を認めるゾーンはある。もちろん、価格は大切な要素だが、ベンベルグが分かる顧客はその価値が分かっている」と強調。長年、ベンベルグを扱う同社だけに説得力はある。

 そして「エコロジー、サステイナビリティーの流れが強まる中で、オンリーンワンであるベンベルグには追い風が吹いている」と話す。