帝人フロンティア/仮想試着システム販売/デジタル無人店舗など実現

2020年07月03日 (金曜日)

 帝人フロンティアは、仮想試着などができる“バーチャルフィッティングシステム”の販売に乗り出している。IT関連企業のアパテックジャパン(東京都港区)が中国企業と共同で開発したデジタルツールで、ささげ業務効率化やデジタル無人店舗を実現する。製造現場との直結も検討している。

 人工知能(AI)アルゴリズムに基づき、衣服のデータと顧客の写真身体データの合成による仮想試着を中核とした“近未来ファッション・ソリューション”と位置付ける。さまざまなポージングで仮想試着でき、実際に試着した場合と同じような仮想試着画像が作れる。

 このツールを使用することで多様なソリューションの提供が可能になる。ささげ(撮影)業務効率化、電子商取引(EC)サイトでの仮想試着、オンライン展示会、事前販売会、バーチャルファッションコンテストなどがそのソリューションだが、中でも期待するのがデジタル無人店舗の実現だ。

 デジタル無人店舗は、衣料品の「仮想試着技術」に基づいたセルフ型アパレル店舗のこと。身体データ採取室やスマートハンガー、商品情報ディスプレー、セルフレジなどを組み合わせることで無人化する。買い物ストレスの軽減のほか、人との接触が減らせる。既に中国・上海の1店舗で導入されている。

 帝人フロンティアが今年に入り、アパテックジャパンに出資し、同システムの販売代理店となった。アパレルのCADと連動し、製造直結型への進化も視野に入れる。帝人フロンティアが9月30日まで開いている「バーチャル総合展21春夏」で紹介している。