帝人フロンティア/カーテン用で抗ウイルス/消臭含め快適テーマに展開

2020年07月22日 (水曜日)

 帝人フロンティアの繊維素材本部原料部は、抗ウイルス加工と消臭機能を持つカーテン用生地をそれぞれ打ち出す。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が長くなる中、「室内で快適に過ごせる環境作りへアプローチする」(大寺剛史原料部部長)ことで、2021年3月期のカーテン用ポリエステル長繊維糸・生地販売の増収を図る。

 抗ウイルス加工生地は、医療施設向けに開発していたが、一般用途へも提案する。繊維評価技術評議会の「SEK抗ウイルス加工」認証を取得。既に展開する遮熱や遮像など素材の機能に、後加工の抗ウイルスを組み合わせることで差別化を図る考えだ。今秋から店頭に出せるように取り組む。

 消臭カーテンは、光触媒で機能を付与することが一般的だが、効果は日中に限定される。同部は特殊な無機物を採用して後加工することで一日中機能を発揮させる。下半期に店頭へ出せるように対応する。

 同部のポリエステル長繊維販売額のうち、カーテン用は約35%を占める。糸販売とともに、生地販売にも注力しており、20年3月期の生地販売比率は10%程度に高まっている。北陸や両毛地区の機業やニッターとの取り組み、染工場の後加工などで「高いレベルの商品」(大寺部長)を強みに拡販へつなげる。中国・上海の現地法人と連携した薄地の拡販も図る。