帝人フロンティア テキスタイル第一部/新視点でPPEに仕掛ける/医療用ガウンの再利用も

2020年07月27日 (月曜日)

 帝人フロンティアのテキスタイル第一部は、これまでにはなかった角度でアプローチを仕掛け、新分野・用途を開拓する。個人防護服(PPE)などに目を向けているが、中でも医療関連に焦点を当てる。アイソレーションガウンの再利用・再生など、将来に向けてさまざまな可能性を探る。

 新型コロナウイルス感染症によって需要が拡大したのが、マスクやガウン、手袋をはじめとするPPE(パーソナル・プロテクティブ・イクイップメント)分野だ。医療従事者用は一時需給が逼迫(ひっぱく)し、政府は繊維企業にアイソレーションガウンなどの生産を要請した。

 感染防止などの観点から医療用のガウンやマスク、市販の不織布マスクは使い切り型が一般的。ただ「海外では不織布マスクが投棄され、海洋汚染の要因の一つになりつつある」(テキスタイル第一部)とし、新型コロナ禍が収束していない現状では難しいが、今後は再生・再利用の考えが不可欠とした。

 アイソレーションガウンは、回収して工業洗濯し、滅菌して再利用(リユース)するというスキームの構築を目指すほか、リサイクルも進める。具体的な話は何も進んでいないとした上で、「帝人フロンティアの高機能素材を使い、ユニフォーム部隊などと連携すれば不可能ではない」と語った。

 医療用ではガウンやスクラブの下に着用するインナー(Tシャツなど)の提案にも力を入れる構えで、アウトドア向けの素材の応用を検討する。マスクについては布マスクであれば再利用などが可能になるとし、抗ウイルス加工を施したマスクを展開する。

 抗ウイルス加工については、エビデンスの確認を経てから、一般衣料を含めて幅広く訴求する計画で、21秋冬の素材提案には十分間に合うとした。