タイナムシリインターテックス/開発と需要発掘に取り組む/ライフスタイルの変化に対応

2020年09月10日 (木曜日)

 帝人フロンティアのタイ織布染色加工子会社であるタイナムシリインターテックスは新型コロナウイルス禍で厳しい市場環境が続く中、経費削減など守りの経営を重視しながら、“ウィズコロナ”に向けた開発などに取り組む。

 新型コロナによってタイ経済が打撃を受ける中、同社も4~6月は受注が低迷した。タイ国内での自動車生産台数減少にともなってカーシート地が落ち込む。衣料用テキスタイルも世界各国でのロックダウン(都市封鎖)や小売店の休業、行動制限による消費減退で内需、対日、対欧米はいずれも厳しい状況となった。ただ、ユニフォーム用途は比較的落ち込みが小さかった。

 先行きに対しても楽観視していない。元々、タイは他のASEAN諸国と比較して関税メリットが特に多いわけではなく、バーツ高や労働コスト増加などで競争力が低下している。縫製工場もタイから他の周辺国への移動が続いていた。そこに新型コロナ禍が加わった。同社は「現在の状況がいつまで継続するか見通せないが、当面はこの状況が続くと思われる」と分析する。

 2020年度の業績も厳しい状況が続くと予想。当面は経費削減やコストダウンなど守りの経営を重視する。その上で〝ウィズコロナ〟によって生じるライフスタイルの変化に合わせた商品開発や需要の発掘に取り組み、新型コロナ禍による受注減少をカバーすることを目指す。