東洋紡「ココミ」/牛用のベルト型を開発/岐阜大との共同で

2020年10月14日 (水曜日)

 東洋紡はこのほどフィルム状導電素材「ココミ」を使用する牛用のベルト型スマートテキスタイル(試作品)を岐阜大学の協力を得て開発した。

 乳牛や肉牛に装着することで心拍数など生体情報を常時、計測し、牛の体調のモニタリング環境の実現に貢献するという。

 これまで畜産牛の体調管理には聴診器や体温計などの医療機器を用いることが一般的だったが、生体情報を常時、取得することが難しく、作業従事者や畜産動物に負担がかかることが課題だったという。

 両者が開発したのは、牛の胴体に装着するベルト型のスマートテキスタイル。薄く伸縮性に優れたココミを電極に使うことで、さまざまな体格の牛にフィットする形状を実現した。

 心拍数や体表温度などの生体情報を高精度で常時、計測できるため、異常心拍といった疾病の予兆をいち早く察知したり、ストレス状態にないかなど牛の体調をモニタリングできるため、効率的に畜産動物を管理することができる。

 今後は実証実験を継続することで試作品の改良を続け、牛用スマートテキスタイルの早期実用化を目指す。

〈国際畜産資材で披露〉

 東洋紡は14日から16日まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開かれる「第2回 国際畜産資材EXPO」に出展する。

 牛用ベルト型スマートテキスタイルを初めて披露するほか筋活動計測のゲーム型デモンストレーションを行う。