三陽商会 紳士服21春夏企画/「脱スーツ」が鮮明に/カジュアルな中軽衣料に商機

2020年10月23日 (金曜日)

 三陽商会は、紳士服の中軽衣料を強化する。既製のスーツ品番に代わるアイテムを21春夏シーズンに投入。在宅勤務を意識したライトアウターやインナーウエアを豊富にそろえるほか、大人層に向けた「エポカ・ウォモ」では既製のスーツ品番を取りやめ、カジュアル商材のセットアップを提案する。

 上質な素材感とエレガントなモチーフを組み合わせた「エポカ・ウォモ」は、エンボス加工を施した迷彩柄パーカやストレッチ素材を採用したブルゾンなどを並べる。セットアップで購入できるカジュアル品番も多く、全体的にリラックスした雰囲気に仕上げている。

 同社では「既製のスーツ品番を取り止めたが、一定の需要があるパターンオーダー(PO)は継続する。伸縮性のある機能素材でもPOを受け付ける」とした。POは自社工場のサンヨーインダストリー(福島市)で縫製する。

 スーツ品番に強みがある「ポール・スチュアート」も、リバティプリントのミリタリージャケットやパステルカラーのニットを投入。スーツに代わるビジネス提案として、通気性に優れたライトジャケット、ウエスト部分の〝締めつけストレス〟を軽減したパンツなどを打ち出す。

 英国調のデザインに定評がある「ザ・スコッチハウス」では、シャツアウターやポロシャツで企画に厚みを持たせた。また、都会的なモノトーンの商品群で新規顧客の開拓を狙う。「品番数は前年の春夏と比較して7割程度に絞った。その分、売れ筋商品のロットを増やす」としている。