担当者に聞く ユニフォーム最前線(7)/帝人フロンティア ユニフォーム部長 門脇 秀樹 氏/新需要誕生の可能性も

2020年10月29日 (木曜日)

  ――ユニフォーム市場を取り巻く環境を教えてください。

 「ファッション衣料よりはまし」とよくいわれますが、オフィスやサービスユニフォームで新型コロナウイルス禍の影響を受けています。なかなか回復の兆しは見えず、新型コロナ前のような状態にはもう戻らないだろうと予想しています。ワークウエア市場も厳しい状況は同じです。

 ユニフォーム部の2020年度上半期(4~9月)もワークウエア、オフィス、サービス分野は勢いを欠いています。その一方で企業別注や病院白衣、官需関連、スクール衣料は比較的堅調で、全体の売り上げは前年を上回る水準で推移しています。特に企業別注が寄与しています。

  ――底堅い動きを堅持している理由を分析すると。

 素材力だと考えています。秋冬向けの「エルゴライト」、春夏向けの「エアーインプレッション」が省エネ貢献型商品として、ワークウエア分野で注目されています。エルゴライトはマルチ糸を高密度織物とすることで軽量・保温・防風を実現しました。エアーインプレッションは高通気・吸汗速乾が特徴です。

 さらに言えば、ファッションを担当していた人材を配置するなど、人員を固定せず、フレキシブルな体制としたことも貢献しました。国内の生産拠点拡充も奏功しています。これまでは新潟県が主体だったのですが、北陸産地にも広げています。

  ――環境対応やサステイナビリティーも大きな流れです。

 リサイクルでは「エコペット」を展開しています。1995年に販売を始めて以来、25年間続けてきたことの意味は大きく、優位点にもなっています。リサイクルに加えて植物由来原料を使った「プラントペット」などの提案を強化するほか、村田製作所と共同開発した圧電繊維「ピエクレックス」にも期待しています。

  ――ウイズコロナ、アフターコロナのポイントは。

 オフィスやサービス分野を中心にユニフォームの概念が変わりつつある気がしています。別の言い方をすると、これまでとは違う新しい需要が生まれる可能性があります。そうした変化をいち早く捉えて、ニーズに即した提案を行うことが重要です。