東洋紡STC 22春夏スポーツ/エコ・衛生素材を前面に/「Z―シャツ」で50%増を達成

2021年01月12日 (火曜日)

 東洋紡STCは“守る”をコンセプトに開発したエコ素材、衛生素材を打ち出し、22春夏のスポーツ素材商戦に臨んでいる。再生ポリエステルを統合した新ブランド「イーガイズ」、抗ウイルス「ナノバリアー」を打ち出すとともに高密度ニット「スクラムテック」で巣ごもり需要の掘り起こしを目指す。

 同社は昨年12月、東京、大阪で東洋紡グループ繊維総合展を完全アポイント制で開催した。1年近くリアル展から遠ざかっていた「来場者からの評判は上々だった」(松村修スポーツアパレル事業部長)ものの、活発な商談を繰り広げるには至らなかったと言う。

 22春夏に向けては、“守る”をコンセプトに開発を強化してきたエコ素材、安全・衛生素材の販促を強化し「販売量の回復を目指したい」考えだ。

 ユニフォーム向けを先行させていた抗ウイルス素材「ナノバリアー」を22春夏からスポーツにも導入。原綿改質で抗菌防臭性能を持たせた綿の新素材「ABコット」も開発した。

 再生ポリエステルの商品ライン拡充にも力を入れており、ノンスパンデックスのストレッチ糸「ニュートロン」、防風・撥水(はっすい)「スペクター」、抗スナッギング「アクセンシャルゼブラ」、吸汗速乾・ストレッチ「テクニスタ48」をラインアップ。これらを冠ブランドのイーガイズで売り込んでいく。

 巣ごもり需要の増大を背景に高機能ニットシャツ地「Z―シャツ」、「E―シャツ」の販売が好調を続けており、「20年度は50%の増販を達成できる」と見通している。

 21年度はスクラムテックもラインアップし引き続き拡販を目指す。スクラムテックは高密度ニット(丸編み)の一部に高弾性糸を交編し高密度に編み込んだストレッチ性に優れるポリエステル。

 スポーツアパレルがライフスタイル系アイテムの拡充に力を入れており、同社もこのゾーンに着心地、高機能を両立させた素材群を重点的に投入する。