豊島「ホガラ」/女性社員がブランド考案/独自の視点で機能性追求

2021年01月22日 (金曜日)

 豊島はこのほど、女性社員がプロデュースするブランド「Hogara」(ホガラ)を立ち上げた。第1弾の商品として「吸水型サニタリーショーツ」と「セルフレイムインナー」を開発。電子商取引(EC)サイトやクラウドファンディングを活用した販売を予定する。豊島が持つ素材選びのノウハウに、女性のニーズに応える機能を追求する視点を取り入れた独自製品を打ち出していく。

 ホガラのプロジェクトチームは現在、女性の営業職で構成する。働く女性の目線に立ち、自らが要望する機能を加えた製品の企画・開発に取り組む。「朗らか」から取ったブランド名には「女性たちを日々の制約や小さな我慢から解放したい」という思いを込めた。商品の企画を立案するに当たり、社内アンケート調査を実施し、100人を超える女性から意見を集めた。

 吸水型サニタリーショーツは、オーガニックコットンを使用。吸水速乾シート・吸水シート・防水シートの3層構造にすることで、吸水機能を高めた。サニタリー用品の廃棄を減らすことで、環境保全にも貢献する。

 セルフレイムインナーは、遠赤外線効果をもたらすセルフレイム練り込みナイロンのフリーカット生地を採用。女性の体調、体温を調節する機能を発揮する。

〈サステの商材、取り組みを拡充〉

 豊島は、東京本社(千代田区)で、21秋冬向けの商談会「リブート」をアポイント制で開催している。2月12日まで。

 同社は、素材作りに対するサステイナブルな姿勢を表すステートメント「マイ・ウィル」を掲げる。これに基づく取り組みや商材の提案を強める。

 100%リサイクル原料を使ったウールの紡毛糸を生み出すアップサイクル・システムを「サイクル・ウール」として打ち出す。同社が使用する反毛原料は、協力工場の厳正な審査基準をクリアするため、色の再現性、毛率、紡績性など品質が安定していると言う。

 「エコメル」は、ウールライクな外観をニットで表現した新開発素材。ポリエステル糸には、GRS認証のリサイクルペットボトル原料「トップグリーン」を使用した。軽量感や伸縮性といった機能性に加え、エコの要素も取り入れた。

 デジタル技術を活用したサステイナブルなモノ作りも提案する。水の染料の使用量を削減するデジタルプリント手法「サスクア」を紹介。3次元のデザインを駆使した服作りを推進する取り組み「バーチャル・クロージング」も披露している。