ダイワボウレーヨン/紙おむつリサイクルに参画/再生セルロースの技術応用

2021年02月25日 (木曜日)

 ダイワボウレーヨンは、レーヨン製造で培った再生セルロース繊維の技術を応用し、使用済み紙おむつのリサイクル技術開発に参画する。紙おむつのリサイクルで課題となっている吸水材の再利用に取り組む。

 使用済み紙おむつは現在、大部分が可燃ごみとして焼却処分されるなどリサイクル技術の実用化があまり進んでいない。リサイクルが難しい要因の一つに紙おむつに含まれる吸水材の処理がある。吸水材は高分子吸収ポリマーとパルプが複合されており、これらの分離や再利用が難しかった。

 こうした中、大手衛材メーカーが使用済み紙おむつリサイクルの事業化に取り組んでおり、吸水材から高分子吸収ポリマーとパルプを分離・回収する技術を確立した。分離・回収した高分子吸収ポリマーとパルプは紙おむつや紙製品の原料として再利用できるグレードを確保している。

 こうした取り組みにダイワボウレーヨンも参画する。吸水材から分離・回収したパルプをレーヨン短繊維の原料として再利用する。リサイクル原料で製造したレーヨン短繊維をスパンレース不織布などにすれば再び衛生材料に使用することができ、紙おむつのリサイクルシステムを確立することにつながる。

 同社では現在、使用済みデニム製品やポリエステル綿混製品をレーヨン原料に再利用する取り組みを進めている。加えて使用済み紙おむつのリサイクルにも参画することで、レーヨンや再生セルロース繊維の技術が持つサステイナブル特性や優位性を改めて打ち出す。